マルセル・モイーズと　その一家

マルセル・モイーズ、ルイ・モイーズ、ブランシュ・オネゲルの３人は、モイーズ・トリオとして戦前から戦後にかけて活躍していました。３人の素晴らしい演奏は以下のリンク先から聴くことが出来ます。

MOYSE1.mp3 : 653KB

曲目：トリオソナタ　ホ長調　第１楽章（テレマン）

演奏者

フルート　　　　：　マルセル・モイーズ

ヴァイオリン　：　ブランシュ・オネゲル

ピアノ　　　　　：　ルイ・モイーズ

演奏年：1930年代

演奏時間：1:35

マルセル・モイーズ ( 1889 (フランス)-1984 (アメリカ) )

この写真は、桜井フルート制作所の桜井秀峰さんにお借りしたものです。お父様の桜井幸一郎さんが撮られたものです。

右から、マルセル・モイーズ、高橋利夫先生、ブランシュ・オネガー。

マルセル・モイーズは「フルートの神様」「現代フルート奏法の完成者」などと言われた、２０世紀を代表するフランス生まれのフルート奏者。パリ音楽院での生徒には、アンドレ・ジョネ、オーレル・ニコレ、ペーター・ルーカス・グラーフらがおり、アメリカ移住後にも、ジェームズ・ゴールウェーやトレバー・ワイらを教えています。

高橋先生は、私が中学生から高校生にかけてフルートを習っていた先生。私の父と同じくらいの年齢ですがまだお元気でおられます。モイーズは1973年と1977年に来日していますが、この写真は恐らく1973年の松本でのレッスンのもの。高橋先生は英語の通訳をされていました。

ルイ・モイーズ( 1912 (フランス)-2007 (アメリカ) )

ルイ・モイーズはマルセル・モイーズの息子で、フルートのみならず、ピアノや作曲も行っていました。ルイ・モイーズには日本人の血が４分の１流れているそうです。マルセル・モイーズの妻は、父がフランス人、母が日本人だったそうです。

写真は2000年の夏、京都でのマスタークラス。私はアメリカに長期出張中でしたが、この聴講の為に日本に帰国しました。

ブランシュ・オネゲル( 1909 (スイス)-2011 (アメリカ) )

ブランシュ・オネゲルは、マルセル・モイーズの息子、ルイ・モイーズの妻でヴァイオリン奏者でした。晩年は腕を痛めて、合唱指揮者として活躍しました。オネゲルは旧姓で、ブランシュ・モイーズと書くべきかもしれません。

マルセル・モイーズの来日に同行しており、その時、音楽評論家の村田武雄氏にインタビューを受けています。その様子を本で読んだことがありますが、ブランシュはヴァイオリンをアドルフ・ブッシュに、ギターをアンドレス・セゴビアに学んだと語っていました。「贅沢でしょう！」とブランシュ本人も笑っていたそうです。

亡くなられた時のメモリアルコンサートの様子がYuoTubeで聴くことが出来ます。

https://www.youtube.com/watch?v=bcnihlW-y8Q

(2016.03.14　記)